※この記事は、以前noteで書いたものを転載したものです。
先日、ある工房さんから手紙が届きました。
手紙の概要はこうでした。
弊社は発達障害のあるお子様用の椅子を作製しています。
発達障害のお子様も、適切な椅子に座ることができれば、落ちついて授業を受けるなど効果があると思います。
ただ、どのようなニーズなどがあるのか、まだよく分からないのが現状です。
ぜひ御社(注:ぼくの法人のこと)で一度、その椅子を使ってみていただけませんか?
必要であれば、お送りさせていただきます。
うんうん。
確かに、発達障害のあるお子さんは、一見体の不自由さがないだけに、椅子にキチンと座れないことを、やる気など本人のせいにされてしまうことが多くあります。
仕事柄、色々な工房さんとお仕事をさせていただきましたが、発達障害のお子さんの姿勢について、キチンと考え、商品化しているところは、本当に少ないです。
この工房さんは、そういったことにも関心を持っているんだなあ。
そして、実践の場を必要としているんだなあ、と興味を持ったので、「じゃあ、一度デモを送ってもらって、ぼくの事業所で発達障害のお子さんに使ってみよう。そしてフィードバックすることで、協力しよう」と思い、メールを書きました。
分かりました。うちの事業所で発達障害のお子さんに使えるかもしれないので、デモ機をお送りいただいて構いません。できるだけのご協力はします。
そうしたところ、返事をもらったのですが、そこには「え?」と思う内容が書かれていました。
早速お送りする段取りをします。なお、返送料はご負担ください。
また、保護者の方が購入される場合、福祉制度を使えるかどうか、役所にダメ元で申請してみてください。
え?
デモとして使ってみて、どうだったか教えて下さい、と言いながら、返送料かかるの?
それなりのサイズ(椅子ですからね)だから、送料もかなり掛かるよ。
しかも、保護者の方に、制度を使って買えるかどうか、ダメ元で申請して?
なんかおかしいなあ、コレ、「売らんがな」じゃないか!?と思ったので、返信はせずしばらくそのままにしておきました。
そうしたら、数日後にメールが。
デモを使って頂けるとのことで、今日にも送れる用意をしているのですが、どうしましょう?連絡ください。
ああ、やっぱり。
完全に営業活動やん!
ぼくはひねくれているので、売り込まれたら絶対に買いたくないのです。
自分も売り込むのがキライなので、売り込まれるのはもっとキライなのです。
発達障害のお子さんの教室を運営しているから、需要があると思ったのか?
使い心地を教えて下さい、ご意見ください、という体で、販売促進とかって嫌だなあ。
それなら、「ほしい!」って自然に思ってもらえる商品開発に力をいれるべきでは?
そんな安直な売り方されたら、絶対買わないよ。
まあ、「愛は地球を救う式マーケティング」ということですかね。
ということで、件の工房さんには、はっきりとお断りのメールを送って、おしまいにしました。
逆に学びましたよ。
売り込むのではなく、お客さんに「ぜひ売って!」と言われるようなプロダクトやサービスを提供することが一番大事ってね。