昨日に引き続き、神戸新聞WEBまいどなニュースで、震災関連の記事を公開しました。
昨日は震災時の避難所生活の課題と対応方法【自閉症スペクトラム】でしたが、今日は「多動の場合」です。
大人から見て「困った子」は、子ども自身が困っているんだと捉える人が増えてくればいいなと。療育支援者でさえ「この子は我慢ができない」と言ってしまう現状なので、一般の方にはすぐに浸透しないのかもしれないです。だからこそ、こういう記事を書くことで、少しでも理解者を増やしていきたいです。
— 西村 猛@保育士さん向け研修会講師 (@seinosuke2013) March 11, 2020
多動のお子さんは動き回ることが目立つため、「我慢が出来ない子」とレッテルを貼られることが多くあります。
そして、やはり「親が悪い」とか「キチンとしつけているのか」という「親の責任論」になってしまいがちです。
多動のお子さんは、何も「動き回ってやろう」と思って動いているわけではありません。
気になることがあったり、動く刺激が心地よいから動いているだけで、本当は「集中して遊びたい」という気持ちや、じっとして過ごしたい、という気持ちももっているはずです。
でも勝手に身体が動くように、自分でもコントロールができないという辛さをもっているのです。
そういうことを知らない人は、何でもかんでも「本人のやる気や親のせい」にして、自己完結しているのです。
それって、完全に自己満足以外のなにものでもないのです。
年配の人が、「今の若いモンは。。。」というのと同じです。
電車内でも自動車でも、若者よりもいい年した大人(おじさんやおばさん)の方が、よほどマナーも悪ければ、ルールも無視です。
若い人のほうが、親切だったりします。
で、なぜ年配者は若者を見下したように語るかというと、「自分の方が優れている」と見栄を張りたいだけだったりします。
多動の子の話で言うと、「しつけがなっていない」と親のせいにしたり、「わがままな子」と子どものせいにしたりするのは、自分が「分別のある大人である」ということを言いたいからなのです。
そう見られたい、そう評価されたい、という「自分を見て!見て!」という常に認めてもらいたい人なのです。
あー、さもしいったらありゃしない!
で、こういったことが世間一般の人であれば、まだましです。
療育支援者の中に「この子は我慢ができない」「わがままが許されると思っている」と捉えてしまう人がいるのは問題です。
でも意外と多いのです。
「しょせん療育ってこんな程度だよねえ」と半ばやけくそ気味に、投げやりな気持ちで愚痴をいいたいところですが、そこはぐっとこらえて「大人が困った子と判断する時、本当に困っているのは子ども自身なんだ」ということを、多くの方に知っていただきたいなと思っています。
今回の2本の記事が、発達特性のあるお子さんの行動理由を知っていただくきっかけになれば嬉しく思います。
前回の記事「自閉スペクトラム症」はこちら