療育は「質で選ばれる」時代へ。療育の質を上げるためには、スタッフの質を上げることから始めよう!

一昨日、市が主催する「障害児通所支援事業所一斉研修」に参加してきました。

この研修を受けて思ったのは、「いよいよ療育は質で選ばれる時代に入ってきたな」ということです。

単なる預かり保育や、目標設定も不十分なままの事業所は、自然に淘汰されていくだろうと思います。

その理由は、国や自治体において「効果的な療育提供のあり方」が議論されていること、SNSやネット情報により保護者の療育に関する知識が増えたこと、少子化のため子育てにエネルギーを注ぎやすくなったこと、などが挙げられると思います。

つまり、療育施設(事業所)を作れば、利用者が自然に増えていく、という時代ではなくなり、高品質な事業所が選ばれ、生き残る時代になってきたと言えます。

 

さて、ぼくは自称ではあるのですが「療育改革実践家」を名乗っています(笑)。

長らく公的療育機関に勤務した後、独立して児童発達支援事業所を立ち上げましたが、常に感じているのは「療育という領域は、まだまだ未発達」であるということ。

例えば、「療育って何?」と聞かれたとして、百人いれば百通りの答え、、、というのはちょっと大げさですが、人によって療育の捉え方はバラバラです。

また、療育事業所のあり方も、それぞれ。

つまり、療育の現状は「みんなそれぞれに思ったように捉え、思ったようにサービスをしていても、それでなんとなく過ぎていく」というような感じです。

だから、「療育の質を上げよう!」と銘打ったところで、具体的にどう取り組めばいいのかはわからない、という意見も多いと思います。

 

ちなみに、ぼくが療育の質を上げるためにまず必要だと思っていることは、「療育支援者の質を上げること」です。

療育スタッフが、「なんのために発達支援を行っているのか」「今取り組んでいることが、将来どういうことにつながるのか」を理解していないと、それを保護者にフィードバックできないままとなります。

反対に、スタッフの方の理解が進めば、それを保護者に伝える→保護者の方の知識が増え、工夫が生まれる→子どもに還元されていく、という良循環を生み出すことにつながります。

ちなみにぼくの事業所では、「自ら考え、自ら動く」ことができるようになるために、スタッフに徹底してもらっていることがあります。

それは「できない理由を探さない。できる方法を考える」です。

これは、スタッフの行動指針でもあり、子どもへの支援を行なうときの指標でもあります。

 

今の療育は、とにかくできないことを指摘して終わり、指摘した側はそれで満足、という事例が多すぎます。

これでは、「じゃあ一体どうしたらいいの?」と保護者も子どもも困ってしまいます。

だからまずはスタッフが、できないことを「できない」と指摘して自己満足にならないようにすることを徹底して実行してもうことが大切です。

そして経営者であり、事業所の代表者であるぼくは、スタッフが常にできる方法を考えることができるよう、指導したり、あえて失敗を経験させてみたりと色々体験させて、考えさせるように導く役割を担っています。

また、常に事業所の軸がぶれないよう、理念を常にスタッフが意識できるよう、ことある毎に理念を伝え続けています。

こういう取り組みをつみかさねていくことが、スタッフの質を上げることにつながり、ひいては療育の質を高め、「選ばれる事業所」になっていくものと思います。