※この記事は、2019/05/24にnoteで公開した記事を移転したものです。
少し前に、ブログ記事を書きました。
理学療法士の起業というと、真っ先に挙げられるのが、整体師なのです。
なぜ、整体師は理学療法士の起業に向いていないのか、ということについてはブログ記事をお読みいただくとして、ここでは「理学療法士が起業する時にやってはいけないこと」「取るべき戦略」についてご紹介します。
かく言うぼくは、起業3年目に入ろうかという、新米社長です。
「初心者に何が分かるの?」と思われるかもしれませんが、最近起業したばかりだからこそ、分かることがある、というか失敗経験が多いので、少なくともぼくの失敗経験を誰かの参考にしていただけるものと思います。
やってはいけない3つのことと、あたなの取るべき戦略
では、ここから理学療法士が起業する際に、やってはいけない3つの戦略と、「あなたがするべきこと」についてご紹介します。
1.長時間労働
少しでも収益を上げたいと考えた場合、「営業時間を長くする」というのが、まず思いつく方法だと思います。
しかし、これをやってしまうと、途端に事業を伸ばしていくことは難しくなります。
なぜなら、「長時間営業=時間の切り売り」だからです。要は自分の時間を圧迫しながら長時間営業を行うのは、自分を追い詰めていることにほかならないからです。
特に一人で運営している場合、自分自身が疲労困憊になってしまい、身動きが取れなくなってしまいます。
自分が労働するのではなく、人を雇用してその中でシフトを回す、という方法ならOKです。
あなたが取るべき戦略は、無駄に営業時間を増やさず、あなたが馬車馬のように働かなくても収益化ができる仕組みを構築することです。
2.低料金
何かのサービスを提供し、対価を得る。この時に「買ってもらいやすいように」という理由で料金(価格)を下げるとダメです。
お客さんは、安いから買ってくれる(サービスを受けたいと思う)とは限りません。
「価格が安い=信頼できないのでは?」という捉え方もあります。
低料金にして、多くの人に購入してもらう、という方法は大手の会社が取る戦略です。
あなたは、利用者数を増やしたいという理由で、低料金にしては絶対にいけません。
小さな会社やフリーランスといった個人事業で行う場合に最も必要な戦略は、「高価格・高付加価値」です。
価格は高いけれど、他にはない価値がある。
価格が高い=価値が高いと捉える方も多くいますし、付加価値に対してお金を払う、という方もたくさんおられます。
こういった方々が自分のサービスを気に入ってくれるように、付加価値をつけるべきです。
あたなが取るべき戦略は、顧客が「価格は高いけど、他(大手)にはない○○があるから」という価値を付け加えることです。
3.チラシ配り
チラシ配りは、多くの人に自分のサービスを知ってもらうための必至ツールです。
しかし、この戦略は大手企業だからこそできることです。
あなたは、チラシを作ってはいけません。
少し発想を変えてみましょう。
あなたが、理学療法士の知識と経験を活かし、フリーランスのパーソナルトレーナーで起業するとしましょう。
そして自分のサービスを知ってもらうために、チラシを1万部を作って、近隣のマンションや戸建て住宅に配ったとします。
例:ネット印刷のラクスルで、A4サイズのチラシを1万部作ると、約30,000円です。
そのうち、10人の人が関心を持って来てくれたとします。
パーソナルトレーナーの料金設定を仮に、1回(60分)5,000円と仮定したら、収益は50,000円です(消費税とか細かいことは抜きで)。
もし「初回は半額!(2,500円)」にしていると、10人での売上は25,000円です。
さて、料金設定が5,000円だと、チラシの費用対効果は+20,000円です。
10人×60分の労働時間と、必要経費(店舗を構えている場合の固定費や電話料金など)がありますので、純利益ではありませんので注意。
料金設定が2,500円だと、-5,000円です。赤字です。
最初の時点で30,000円の広告費がかかっているので、プラスマイナスゼロにするには(10人来てくれるとして)最低でも料金を60分3,000円にしなければなりません。
こう書くと、「パーソナルトレーナーに関心をもっている人はもっと多いはず。だから広告を見て来てくれる人は10人なんてことはない」と思う方もいると思います。
確かに、パーソナルトレーナーに興味・関心を持っている人は多いと思います。
問題は、知名度もない理学療法士(あなたのことです)の行うパーソナルトレーニングに一体どのくらいの人が関心を持ち、申し込んでくれるのか、ということです。
大手企業なら、広告宣伝効果で知名度もありますが、一個人のサービスをチラシ1枚でどこまで信頼してもらえるか不明です。
そうなると、「集客率を上げるために、サービス料金(価格設定)を安くする」という「低料金戦略」になってしまいます。
これでは、集客が目的となってしまい、売上は二の次になってしまいます。
あなたが取るべき戦略は、「自分のキャラクター」を知ってもらうために、ブログ記事を更新することです。もしくはツイッターやインスタグラムなどのSNSを活用して情報発信することです。
※ちなみに、ここでは「リピーター」については触れていません。10人が来てくれて、すべての人がリピーターになってくれれば、顧客は累積していきます。しかし、チラシ広告は出し続ける必要があります。
大事なのは「付加価値」と「あなた自身を売る」こと
理学療法士であるあなたが、起業する時に大事なこと。
それは「付加価値を売ること」と「あなた自身を売ること」です。
付加価値をつける
付加価値とは、顧客にとって「特別感」などです。
特別感は、他にはない対応(例えば利用者の都合を優先してくれるなど)でもいいですし、技術でもOKです。
ただし、付加価値を「技術」にするなら、「一般の人が分かる技術の差」を見つけないとダメです。
理学療法士同士が分かる技術の差は、一般の市場では求められていないものです。
あなた自身を売る
あなた自身を売るとは、「あなたの商品を買いたい・あなたからサービスを受けたい」といってもらうことです。
フリーランスなどの個人の技術で勝負していく場合、「品質が良ければ売れる」かというとそうではなく、「あなたが売れて、商品が売れる」という順序になります。
ここを間違えると、いつまでも商品は売れません。
あなたを売るためには、あなた自身が自分の声(文字でもOK)で発信し続けることが大切です。
例えば、ブログでも、ツイッターでも、インスタグラムでもOKです。
有益な情報を常に発信し続けてください。
そうやって、信頼を構築していくのです。
信頼されて初めて、「あなたの商品を検討してくれる」ようになります。
もちろん、あなたの商品(サービス)を選んでくれた方を裏切らないことも、継続して信頼してもらうためには重要な要素であることは言うまでもありません。
まとめ
・理学療法士が起業する時にとってはいけない戦略は、1.長時間営業、2.低料金設定、3.チラシ広告、の3つです。
・上記の3つは、大手企業の戦略です。一個人が大手と勝負していくためには、大手の戦略とは違う手法を取ることです。
・その方法は、「付加価値をつける」「あなた自身を売る」ことです。
・まずは、あなたという人を信頼に足る人だ、と思ってもらえるように、ブログやSNSなどを活用して、発信することからはじめてみましょう。
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