「療育を受けるなら早いほうがいいですか?」とご質問をいただくことがあります。答えはYES。
その理由は以下の通りです。
1.脳の特性はおよそ10歳までに方向性が決まるから。
2.幼児期は脳の神経ネットワークを育て、整理する時期。
3.保護者の方が我が子の特性を正しく理解することが大切だから。— 西村 猛@日本で一番、保育士さんを応援する理学療法士 (@seinosuke2013) February 18, 2020
未だ「本人のやる気」や「努力・根性」を強いる療育が多くあります。
「為せば成る、為さねばならぬ、なにごとも」といった考え方が、未だ発達支援(療育)の世界にも蔓延しているのかもしれません。
なぜ、こういった論調が起こるのかという理由は、シンプルです。
それは、「療育を科学的な根拠で捉えていないから」です。
例えば医学的な視点で発達を捉えることができれば、「やる気があればできる」とはなりません。
基礎知識、と言ってもいいかもしれませんね。
基礎知識というベースがないので、「やる気が大事」「根性」とかいうのです。
例えば、脳の発達という知識です。
脳は幼児期に大きく発達するのは周知の通りですが、人の社会性が育つためには、脳神経のネットワークが整理されることが鍵となります。
専門用語でこれを「シナプスの刈り込み」と言いますが、自閉症スペクトラムの子どもは、このシナプスの刈り込みが脳の中で行われにくいのです。
この仕組みを知っているだけで、「自閉症スペクトラムの子どもの社会性の課題は、本人のやる気の問題ではなく、脳神経の整理の問題だ」ということに気付きます。
そして、「やる気がないから、できない」といった間違った子どもの捉え方はなくなっていきます。
このように、子どもの発達や発達支援(療育)はもっと科学的な視点で見られる必要があります。
そうでないと、やっぱり「根性」や「やる気」で子どもをどうにかしようと言う人が多くなってしまいます。
そしてそれは、子ども自身を、また追い込むことにしかならないのです。
こういった支援者側の思い込みをなくすために、定期的に療育支援者向けのセミナーを実施しています。
ご関心のある方は、セミナー詳細を一度覗いてみて下さい。