【療育事業所オーナーさん向け】多くの療育事業所さんのホームページ戦略が間違っている理由【YouTube動画あり】

令和3年度、療育事業所の過当競争が始まる

令和3年度の報酬単価が、ほぼ決定しました。

大まかな流れとしては、全体的には厳しい結果となりました。

例えば、職員の加配加算のⅡが廃止され、セラピスト等の専門支援加算に変わるなど、より専門性の高いサービスを行っている事業所が評価される流れです。

また、2年間の経過措置になったとは言え、今後は「福祉サービス経験者」はスタッフとしてはカウントできない方向性となりました。

この辺りも、厚労省は療育の質を今後も上げていく方針に変わりはないものと思います。

そうなると、今後療育事業所の過当競争が始まってきます。

例えば、自治体によっては、新規事業所の申請受付けを当該自治体の計画に基づいて調整するといった、出店規制(総量規制)が行われています。

そうなると、当該自治体に対して、療育理念や方針、療育効果などをきちんと説明する必要が出てくるので、「書類や条件が揃っていれば出店」できることはなくなっていくことが予測されます。

また、保護者の質が上がってきており、「効果的な療育事業所」「信頼できる療育事業所」に通わせたい、と希望する保護者が今後も増加してくるものと思われます。

つまり既存の事業所も過当競争が始まり、人気のない(保護者が選択しない)事業所から、人気のある事業所へ利用者が流れていくようになるでしょう。

そうなると、理念構築や質の高い療育実践はもちろんのこと、その魅力を保護者にどうやって伝えていくか、ということが大切になります。

こういったことを発信していくためのツールが必要になってきます。

つまり、WEB戦略の構築が必須になっていくフェーズに突入したと言えるのです。

多くの療育事業所さんのホームページに見られる間違い

弊社は、2017年から発達支援に関する事業所を複数経営してきましたが、それらすべての利用者の確保にチラシ広告などの媒体は一切使わず、WEB戦略のみでやってきました。

その結果から、導き出された結論は、「療育事業所の集客はWEBで完結する」ということです。

つまり、療育事業所の集客においては、チラシ広告や挨拶まわりによる集客は必要ない、ということです。

もし、広告媒体を使うとしたら、最初の数ヶ月だけ「PPC広告(有料で検索サイト上位に表示させる広告サービス。例えばグーグル広告)」を行い、後は自社事業所サイト(ホームページ)と自社の顧客に合ったSNSの組み合わせていくだけで、十分集客は行なえます(つまり広告費は限りなくゼロに近づけることができます)。

MEMO
PPC広告を最初の数ヶ月だけ行うのは、WEB集客にはタイムラグがあるので、ホームページが育つ(検索される)までの間の集客において有効だからです。検索サイトに出てくるようになれば、PPC広告の必要はありません。というか、いつまでもPPC広告に頼っていたはダメです。

その中で、キモになってくるのが、母艦となるホームページです。

ですが、療育事業所に限って言えば、多くの事業所さんが出しているWEBサイトは、集客につながらないサイトになっています。

その理由は以下の通りです。

  1. 理念が記載されていない
  2. 売りがどこにあるか分からない
  3. スタッフの紹介がない、または紹介はあるものの顔写真がアイコン
  4. ブログは、毎日の活動報告の場になってしまっている
  5. お問い合わせ方法が電話しかない

他にもあるかも知れませんが、大体こんなところですね。

「お子様の笑顔のために」とか「できた!を当たり前に」など、いわゆる抽象的な文言を並べてみても、「この事業所は、何をどうしてくれるのだろう」ということが分かりづらく、「お問い合わせページ」や「見学申し込みページ」に至る前に、ページが閉じられてしまうのです。

特に「お気軽にお電話ください」と書かれているホームページをよく見かけますが、これではお問い合わせにはつながりません。

なぜかというと「我が子の発達に悩んでいる方にとって、事業所選びは重要な要素」なので、誰も「お気軽な気持ちで電話なんかしない」からです。

晩ごはん、どこで食べる?とは違うんですよ。

「共感→もっと知りたい→お問い合わせ」の過程を経てお問い合わせが入ります。

利用者獲得につながるホームページ戦略

では、療育事業所が利用者獲得を行うために必要なWEB戦略とはどのようなものでしょうか。

具体的には、以下のようなホームページ戦略が必要です。

  1. ホームページは、見学前の事前情報として活用できるようにしておく
  2. ブログは有益な情報9割+日々の活動1割
  3. 抽象的な言葉はなるべく使わない
  4. サイトデザインの綺麗さにこだわらない(利用者数アップにはつながらない)
  5. 事業所を知ってもらうのではなく、人を知ってもらう
  6. 事業所にとって有効なSNSと組み合わせる(Twitter、Instagram、YouTubeなど)

要は、分かりやすさ、親しみやすさ、安心感、といったものが伝わってくるホームページが必要ということです。

かつ、お問い合わせ(見学申し込み)ページに自然に流れていく構成が最も重要なポイントです。見学依頼につなげてこそのホームページですからね。

 

その中で、よく誤解されるのが、「ホームページが洗練されていると利用者は増える」ということ。

そのために、「とりあえずホームページでも」とホームページ制作会社に数十万〜百万円単位のお金を払って作成してもらったが、集客に全然つながらない、ということもあるので、戦略のキモを忘れないようにしましょう。

洗練されたホームページを作らないといけないのは、ホームページ制作会社です。理由は分かりますよね。制作会社のホームページが洗練されていないと、発注につながらないからです(当たり前の話ですが(笑))。

逆に療育事業所は、手作り感がある方が人柄が感じられるため、利用に繋がりやすいのです。

まとめ

・療育事業所の過当競争が始まったので、生き残るため戦略を考えていく必要が出てきた

・その中で、ホームページは、事業所やスタッフを知ってもらい、利用につなげるための最も重要な宣伝・集客ツールとなる。

・ホームページを通して、理念や内容、親しみやすさを提示していく必要がある。

・綺麗でおしゃれなホームページは、利用者増にはつながらない。むしろ手作り感がある方が親しみやすさがあって好印象。

 

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