【療育事業所運営のコツ】過当競争を生き抜く!療育事業の差別化と持続可能な戦略〜発達支援ゆずの戦略もご紹介します

近年、療育事業の市場は拡大していますが、その一方で競争も激化しています。

公費事業としての側面を持つ療育業界において、他社と差別化を図りながら持続可能なビジネスを築くためには、戦略的な視点が欠かせません。

本記事では、過当競争を生き抜くための戦略について考察します。

療育市場の現状と過当競争

療育事業は急速に拡大し、児童発達支援や放課後等デイサービスの数が増えています。その結果、同じ地域に複数の事業所が乱立し、利用者の奪い合いが起こるなど、競争が激しくなっています。

特に、公費事業であるため料金面での差別化が難しく、サービスの質にばらつきが生じているのが現状です。


また、療育業界は専門性の高い人材が必要ですが、療育スタッフの確保が難しくなっており、人材不足が深刻化しています。

こうした状況の中で生き残るためには、事業所ごとに明確な戦略が求められます。

公費事業の中での差別化戦略

療育事業は公費で運営されるため、価格競争ができません。そのため、差別化を図るには、提供するサービスの質を高めることが重要です。

例えば、発達に関する専門性を持つことで、他の事業所と一線を画すことができます。姿勢・運動発達、言語発達、感覚統合など、それぞれの強みを活かした支援を提供することで、保護者からの信頼を得やすくなります。

また、療育スタッフの研修や教育を徹底し、エビデンスに基づいた支援を行うことで、より高品質なサービスを提供できます。


さらに、地域の保育園や学校、医療機関と連携し、包括的な支援体制を構築することも有効です。地域に根ざした支援を行うことで、利用者の満足度が向上し、安定した運営につながります。

制度改革と保護者ニーズの変化に適応する方法

療育業界では、制度の変更が定期的に行われるため、事業者は常に最新の情報をキャッチし、迅速に対応する必要があります。例えば、報酬改定や基準変更が行われた際には、事業の方向性を見直し、適応する戦略を考えることが不可欠です。


また、保護者の価値観も変化しており、以前は「療育=預かりサービス」としての利用が多かったのに対し、現在は「専門的な支援を受けたい」というニーズが高まっています。

そのため、事業所側も単なる見守りではなく、子どもの発達を促進する質の高い支援を提供することが求められています。

さらに、ITを活用することで、より効率的な支援が可能になります。例えば、オンライン相談やアプリを導入することで、保護者とのコミュニケーションを強化し、個別の支援計画を適切に管理することができます。

こうした取り組みを積極的に行うことで、変化する環境の中でも柔軟に対応し続けることができます。

真似されないビジネスモデルの構築

競争が激しい療育業界においては、他の事業所に簡単に真似されない独自のビジネスモデルを構築することが重要です。

まず、事業の理念やビジョンを明確にし、それを一貫して発信することで、ブランドとしての価値を確立することができます。

また、独自の療育プログラムを開発することも有効な差別化戦略の一つです。例えば、科学的根拠に基づいたオリジナルの療育メソッドを導入することで、他の事業所との差を生み出し、独自性を打ち出すことができます。

さらに、保護者向けの勉強会やイベントを定期的に開催することで、コミュニティを形成し、信頼関係を構築することも重要です。こうした取り組みを続けることで、単なる療育事業所ではなく、地域に根ざした信頼される存在となることができます。

ランチェスター戦略を活用した生存戦略(発達支援ゆずの実践例)

競争の激しい療育業界では、大手と真正面から戦うのではなく、コンパクトな事業所ならではの強みを活かした戦略を取ることが有効です。

私、西村猛が代表を務める「発達支援ゆず」の取り組みにおいては、ランチェスターの弱者の戦略を取り入れており、大手の事業所と競争するのではなく、特定のニッチ市場に集中する戦略を取っています。

例えば、「保護者同室のマンツーマン療育」「全てのお子さんに対し発達検査を実施」「遊びの中で得意を伸ばすプログラム」を提供し、専門性を高めることで差別化を図っています。

これにより、他の事業所では対応が難しい課題に取り組むことができ、保護者からの高い評価を得ています。

また、発達支援ゆずは保護者との密接な関係を築くことを重視し、高品質な療育サービスを提供することで、圧倒的な支持を得ています。


また、実践だけでなく、ホームページやブログでの発信においてもランチェスターの弱者の戦略を取り入れています。

例えば代表者である私が「うんちくんハット」をかぶるなど、一見すると業界の異端児のように見える風貌や、療育業界の闇(ブラック療育)を揶揄したり、好き放題語るスタイルで構成したブログ記事などを、独自戦略の一環として活用しています。

その結果、「嘘をつかない(綺麗事ばかりを言わない)事業所」「保護者の思いを大切にしてくれる事業所」として保護者の信頼を得ており、利用者確保のための原資(チラシ広告やネット広告)などをゼロにすることに成功しています。

また、ブログ記事はくだけた記事ばかりでなく、専門的視点からの記事も発信することで、単にフザけた事業所と認知されることなく、質の高さと面白さが共有した事業所と認知されています。

これらの地名度の高さは、全国の質の高い療育を目指している事業所様からコンサルティングや開所サポートの依頼につながっています。

さらに、発達支援ゆずのブログは支援者にも読まれており、これが求人への応募にもつながっています。今期の例では、3人の公募に対し、20数人のエントリーがありました。

質の高い療育実践について発信していることが、質の高い事業所で学びたいという目的意識を高くもった支援者を集めることに一役買っており、結果的に応募率の向上につながっていると分析しています。

倍率が高いということは、事業所にとってより質の高い支援者を選択して採用できることにつながり、これは長期視点で考えると事業所の質に還元されていきます。

まとめ

療育業界で生き残るためには、単に競争に巻き込まれるのではなく、独自の戦略を持つことが重要です。

発達支援ゆずのように、ニッチ市場に特化し、地域密着型の支援を行うことで、持続可能な事業を展開することができます。

自社の強みを活かし、変化に適応しながら、未来の療育を支える事業を構築していきましょう。


オーナー様向けサポートのご案内

弊社では、貴所に適したホームページ戦略のサポートを行っております。療育事業の理念を適切に伝え、保護者に響くメッセージを作成するお手伝いをいたします。ホームページの改善やブランディングに関するご相談も承りますので、ぜひお気軽にお問い合わせください(サポートには単発相談と継続サポートがございます。詳細は下記弊社サイトをご覧ください)。