自閉症スペクトラムに限らず、発達障害の診断がつくことにおいては、メリットとデメリットがそれぞれあります。
今回の放送では、それぞれについてご紹介しました。
放送の中ではあまり深く触れなかったことなのですが、診断の告知は「タイミング」が非常に重要です。
そのタイミングとは、保護者の方の気持ちとしての受入状況がどうか、という部分です。
診断がついても、保護者の方が心の準備が全く出来ていない状態だと、マイナスに作用することが多くあります。
そして、とにかく定型発達に戻さなければ!という、間違った方針に行ってしまうことも、臨床経験上多々あります。
そうなる前に、「発達特性に関する正しい知識」を医学的根拠に則って、分かりやすく伝えることが必要です。
その前段階(準備)が出来ていないのに、いきなり診断告知されると、上記のような間違った方針に至るリスクがあります。
一旦、保護者の方が、「定型発達に戻す(治す)」と思い込んでしまうと、なかなかそれを別の視点で考えることができなくなることにつながるため、告知の時点では細心の注意を払う必要があります。
その部分をしっかりと考慮して対応してくれる医師(病院など)と、ズバッと診断してしまう医師(病院)もあるので、「どこで診察を受けるか」ということも、今後の子育てにおいて、療育において重要な事項だなと思います。