道なき道を進もうとするぼくの参考書。西野亮廣著「魔法のコンパス」

漫才コンビ「キングコング」の西野さんという方は、そもそもあまり好きなタイプではなかったのです。

何となく、孤高な感じを醸しだていて、それ自体が意図的な匂いがしていたので。

つまり、少しインテリぶった、他の芸人とは違う雰囲気を出そうという思惑が見え隠れしているような感じがしていたのです。

 

ところが、そんな印象がガラッと変わったのが、西野氏が絵本の無料公開を決断したときです。

細かな経緯は分かりませんが、出版業界の既存のやり方に彼なりに異を唱えた、ということなのだろうと思っています。

出版業界もおそらく保守的思考が強く、彼の決断は「常識を知らないわがままな奴」というレッテルを貼られるとともに、異物を弾き出そうとする強烈な風潮の中で、埋もれそうになっていたのだろうと想像できます。

そこをTwitterなどのSNSをうまく使いながら、個性を出し続け、うまくセルフブランディングを構築して、自分にとって優位な風を吹かせたといえます。

 

その行動力は、ぼくにとって、とても共感でき、また「まねぶ」先例です。

なぜなら、ぼくも療育機関の中で、「異物」として所属長から無視され続けてきたからです。

おかしいことをおかしいというのは、異物なのです。

特に「なあなあ」で仕事が進む公的機関では。

 

そんな西野氏の書籍、「魔法のコンパス」は、読みやすいエッセイの形を取りながら、実はビジネスの真髄に触れているように思えました。

サブタイトルは、「道なき道の歩き方」です。

つまり、敷かれたレールの上を進むのではなく、自分で道を作っていくからこそ、大変であるけれどもやりがいがあり、そしてそれは、生きる意味にもつながるのだろうと思います。

まさにこれはビジネス書です。

 

「保守的思考に凝り固まった療育の世界に変革を起こしたい」というぼくの進む道も、「道なき道」です。

現場がいくら頑張っても、それを認めないシステムややる気のない責任者。

まじめに努力しているスタッフは、評価されることなく、不真面目なスタッフの犠牲になり、そしてそれを知らん振りする責任者。

公的療育機関のなんと堕落した様相。

こんな世界に変革を起こすなど、それは道なき道ではなく、茨の道です。

 

でも、このような本があることで、心が折れそうで折れないのです。

 

道なき道を歩くのは、しんどいけれど、生きている実感を持てます。

茨の道は、歩けば歩くほど、傷だらけになるけれど、痛みを実感でき、人の痛みが分かるようになります。

 

 

そして、この本の帯に書いている「ドキドキしながら、仕事してる?」という言葉。

いったいどのくらいの人が、「ドキドキしながら仕事している」でしょうか。

ドキドキするから思考力がつき、アイディアが浮かび、ワクワクするから実行力につながるのです。

 

さて、この本の「おわりに」に書かれている文から、少しだけ抜粋させてもらいます。

「あなたが何かに挑戦し、結果が出ずにジタバタしているとき、外野にいる連中は、「迷走してるの?」と、あなたのことを笑うだろう。

そんなときは、こう返してやればいい。

「うん。迷走してるよ。キミみたいに、誰かが舗装してくれた道を歩いていないからね」

迷走するほうが、生きている感じがする。

ジタバタしているからこそ、生きている実感が湧く。

そしてその経験は、人を優しくさせるのです。

 

ぼくももっと優しくならなければ。

そのためには、もっと迷走しなければ。

迷走すること、失敗すること、悩むこと、落ち込むこと、自信をなくすこと、こういった経験をすればするほど、それが自分の基礎体力になっていくんだと思います。

 

 

そしてもうひとつ。

西野氏が無料公開した絵本、「えんとつまちのプペル」から。

他の誰も見ていなくてもいい。

黒い煙のその先に、お前が光を見たのなら、

行動しろ。思いしれ。そして、常識に屈するな。

お前がその目で見たものが真実だ。

あの日、あの時、あの光を見た自分を信じろ。

信じぬくんだ。たとえ一人になっても。

ぼくはやっぱり今の療育システムは間違っていると思う。

対象者の方を向いていないと思う。

ホスピタリティが足りないと思う。

 

ぼくの思う療育のあり方を具現化するために、誰も味方がいなくて、ひとりぼっちでも、ずっと発信し続けて行こうと思います。

そして、行動し続けて行こうと思います。

「療育の世界の常識」という強烈な向かい風が吹いていますが、それでいいのです。

 

 

飛行機は向かい風を使って、飛ぶ。

ぼくの好きな風車は、風が吹いてくる方向に、自分の羽根を向ける。

 

向かい風をおそれるな。

飛び上がるチャンスだ!

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